シェフのこだわり

(伝統のデミグラスソースとグリルモリタのシチュー)

グルテンフリー、漆黒ビターなデミソース

創業昭和23年の老舗からのリクエストは2つだけ・・

小麦粉は一切使わない。

伝統的に深い苦みがあるのが特徴。

そう言ってニッコリ笑った店主から、秘伝のデミグラスソースのポットを渡される。

グリルモリタ、歴代のシェフに下される最初のミッションである。

先代(現オーナーのお父様)から数えて数人の腕利きのシェフによってリレーション

されてきたデミグラスソース。

職人気質なやり方で引き継がれてきたそのソースに、レシピなどと言う甘っちょろいものなどはついていない。

苦みに関しては牛スジや香味野菜などに深い目に焼き色をつけて煮詰めていけばなんとかなるだろう。問題は小麦粉を一切使わない使わないというオーダー。

歴代のシェフ達を悩ませるのはこの点である。

技術うんぬんというより、粉を使わずしてデミグラスソースと称して良いものかという疑問にぶち当たる。

洋食ソースのおいしさの極意は、ホワイトソースにしてもカレーにしても

小麦粉を上手に活用してとろみを加え、スープにしみ出した旨味をまとめ上げるところにあります。ところがグリルモリタでは長年デミグラスソースに小麦粉を使っていないと言うのです。

ソースを仕込み始めるとゆるやかにその疑問はとけてゆきます。

フランス料理の先駆者たちが従来の小麦粉のグルテンにによる重たいソースの形成から、フォンドヴォーやジュによる軽くて旨味の際立つヌーベルキュジーヌのような変革を先代は試みていたのだろうと。

小麦粉を使わないため、野菜の煮とかし具合やゼラチン質の抽出など微調整に手間はかかりますが、これがグリルモリタのオリジナルデミグラスソースとして長年、常連のお客様の舌を楽しませてきたのです。